ー クローバーと蝶がかわいい ー
東京都酒造組合が運営する東京地酒専門店「東京蔵元だより」に行ってみた
東京都酒造組合が運営する東京都内にある酒造のお酒だけを集めたアンテナショップに行ってきました!
- 所在地:東京都立川市錦町1-1-23 酒造組合ビル6階
- TEL:042-524-3033
- 営業時間:平日 9:00~12:00/ 13:00~17:00
- 定休日:土・日・祝日/ 夏季休業/ 年末年始
東京都酒造組合は東京各地で日本酒を醸す蔵元の組合で、東京都立川市にて東京地酒専門店「東京蔵元だより」を運営しています。
2023年現在、東京都内では10の蔵元がお酒造りをしており、東京蔵元だよりは9酒造のアンテナショップとなっています。
2023年6月に令和初、十番目となる日本酒醸造所『東京八王子酒造』が誕生しました。
- 小澤酒造株式会社/澤乃井(青梅市)
- 石川酒造株式会社/多満自慢(福生市)
- 田村酒造場/嘉泉(福生市)
- 野﨑酒造株式会社/喜正(あきる野市)
- 中村酒造/千代鶴(あきる野市)
- 有限会社小澤酒造場/桑乃都(八王子市)
- 株式会社舞姫/東京八王子酒造(八王子市)
- 豊島屋酒造株式会社/金婚(東村山市)
- 合名会社野口酒造店/國府鶴(府中市)
- 東京港醸造/江戸開城(港区)
青梅方面の酒造
②クラフトビール「TOKYO BLUES」も造る石川酒造(多満自慢)。明治期からビール醸造もしていた歴史を持ち、「純米大吟醸 多満自慢」は35%まで磨いた逸品。
石川酒造は、広い酒蔵の敷地内にビール工房、ビアレストラン、売店、史料館などがあり、酒蔵見学には飲み比べできるコースやランチ付きコースまで用意されています。
③田村家家訓「丁寧に造って、丁寧に売る」を守る田村酒造場(嘉泉)。玉川上水より取水した奥多摩伏流水(中硬水)で造るまぼろしの酒「嘉泉 純米大吟醸」は多くの賞を受賞。少量しか醸すことができない特別限定品です。
田村酒造場は、美しい庭園や歴史ある建物をYouTubeドローン動画で酒蔵を見ることができます。試飲はなく、12月、1月以外は酒蔵見学ができます。お酒の購入はできるので、ぜひ一度立ち寄ってみたいですね。
石川酒造と田村酒造場は同じ福生市にあります!
あきる野方面の酒造
④蔵正面にある戸倉城山の湧き水でお酒を醸す野﨑酒造(喜正)。秋川渓谷の清浄な空気と、23区より4~5度低い気温、やや軟水の仕込み水から手仕込みで造る希少なお酒です。見かけたらゲットしましょう!
野﨑酒造ではお酒の販売のみ。酒蔵見学、試飲は出来ませんが、地元の高級懐石料理店・黒茶屋などで味わうことができます。城山をトレッキングしたり、戸倉しろやまテラスに遊びにいってから野﨑酒造にいくなら17時閉店なのでお早めに。
⑤高尾山薬王院の御神酒「高尾山」を造る中村酒造(千代鶴)。秩父古生層の地下170mよりくみ上げた地下水を使い、冷え込みが厳しいあきる野の地で淡麗型でありながらも米の旨みを感じるお酒を醸します。
中村酒造はJR秋川駅より徒歩12分。酒蔵見学はできませんが、試飲ができて、酒造り資料館の見学もできます。近くの秋川では、鮎釣りや渓流釣りが今も盛んな清流です。
野﨑酒造と中村酒造は同じあきる野市にあります!
八王子方面の酒造
⑥織物が盛んで桑都とよばれた八王子にちなみ「桑乃都」を醸す小澤酒造場(桑乃都)。高尾の霊水で仕込みあげた、香り高くふくよかで旨みのある「桑乃都」。
小澤酒造場はJR西八王子駅から徒歩13分。こじんまりとした酒蔵ですが、八王子産の酒米を使った「純米酒 八王子城」が人気です。
⑦「SAKEの可能性を広げる、東京八王子クラフト」をコンセプトに、東京都では10番目となる日本酒醸造所として誕生した東京八王子酒造。
東京八王子酒造はJR八王子駅から徒歩5分、江戸情緒を今に伝える黒塀通りの一角にあります。多品種・少量生産をモットーに、充実の設備で通年フレッシュな日本酒を提供します。
東村山方面の酒造
⑧慶長元年(1596年)創業の老舗で、歌川広重の画にも登場する豊島屋酒造(金婚)。地下150mの伏流水を使い、伝承された技、厳格な酒造りをしています。「屋守(おくのかみ)」も人気です。
豊島屋酒造は西武新宿線・東村山駅から徒歩15分。試飲できて、金婚は買えますが屋守は酒蔵では買えず、特約店のみの販売です。東村山は志村けんさんの故郷としても有名ですね。
府中方面の酒造
⑨府中市にある大國魂神社の御神酒を造る野口酒造店(國府鶴)。結納や上棟式のための特注酒もあり、「地酒らしい地酒」と酒通に評判です。
野口酒造店は、京王線・府中駅から徒歩6分、JR南武線・分倍河原駅から徒歩11分。中久本店という名前でお酒を販売しており、國府鶴だけでなく日本全国のおいしいお酒を買うことができます。飲み比べの試飲などもあり、近くに行った際はぜひ立ち寄りたいお店です。
23区方面の酒造
⑩東京都の水道水を使用した新しいお酒造りを試みる東京港醸造(江戸開城)。100年の時を超えて再興を果たした酒造です。米・水・酵母すべてを東京産にこだわった「純米大吟醸 江戸開城」が人気です。
東京港醸造はJR田町駅から徒歩9分。酒蔵見学はできませんが、酒蔵のそばにテイスティングカーがあり有料の試飲を楽しむことができます。(平日18~21時・土曜14~19時・日曜定休)酒蔵向かいに販売店もあり。
少し東京都の酒蔵に興味がわいてきましたか?
それでは、なかなか手に入らない美味しいお酒を取り扱っており、きき酒もできるアンテナショップ「東京蔵元だより」に皆さんをご案内します。
東京蔵元だよりのオンラインショップでも一部のお酒が入手できます。
東京都酒造組合に行ってみた
新宿から中央線で30分のJR立川駅。南口から徒歩3分のところに東京都酒造組合があります。
JR立川駅南口のペデストリアンデッキを降りて、南口のグランデュオ立川ビルを左手に見ながら駅沿いの諏訪通りを進みます。
ローソンのY字路を左手に進むと、「東京都酒造組合」の看板が見えてきます。看板のビルを目指してそのまま直進。
「東京都酒造会館」と書かれたビルに到着。
このビルの6Fに、東京都酒造組合が直接販売する東京地酒専門店「東京蔵元だより」があります。
エントランスに入ると東京地酒専門店「東京蔵元だより」の立て看板が!
ここで合っていたようです、ホッとした。
エントランスの階段を進んで左手にエレベーターがあります。
普通の雑居ビルといった雰囲気…。本当に入って大丈夫なのでしょうか。ひとまず6Fに向かいます。
正直に言うと、この時点ではかなり不安でした。
エレベーターに乗ると、6Fに「東京地酒の専門ショップ 東京蔵元だより」の文字が。
6階に到着すると「地酒」の立て看板があるも、鉄格子がおりています。閉まっているのでしょうか。(まだまだ不安)
しかしエレベーター目の前のドアの看板は「営業中」。
しかも「ご遠慮なくドアを開けてお入りください」の文字が!ここは勇気を出してドアをノックしてみます。
すぐに中にいた職員のかたが出てきてくださり、執務中の部屋を抜けて「東京蔵元だより」に案内してくれました。
笑顔で対応してくださりホッとしました!
まれに、会議で部屋を使用中の場合に入れないこともあるそうです。
手前の2つの棚が通年商品。一番手前が日本酒、焼酎、リキュールなど。真ん中が通年商品の日本酒。
そして窓際の棚には季節限定商品が入っています。
通年商品は試飲できるモノも!
入ってすぐのテーブルには東京都酒造組合の限定商品「東京酒造5本セット」がありました。
こちらを購入する予定でしたが…レアなお酒がたくさんあり目移りしてしまいます!
- 中村酒造(千代鶴)特別純米
- 小澤酒造(澤乃井)純米吟醸生酛造り
- 田村酒造場(嘉泉)特別純米
- 石川酒造(多満自慢)純米大吟醸
- 豊島屋酒造(金婚)純米
※すべて300mlサイズ 東京酒造
さて、季節限定のお酒がズラリと並んでいます。左上段からご紹介。
生酛造りの澤乃井「純米吟醸酒 東京蔵人」は口当たりがなめらかでフルーティなお酒。
「千代鶴 しぼりたて吟醸」は日本酒度+5、酸度1.7の辛口吟醸です。
東京土産や海外のかたへのギフトにもおすすめな「特別純米 東京和醸」。
下段にうつりまして、春限定のお酒「純米吟醸 蒼天」の無濾過生原酒。日本酒度-1、酸度1.9。天然の微発砲と酸みでスッキリと飲めるバランスがいい日本酒です。買いたい。
筆者は澤乃井ファンだよね。
おとなりの澤乃井「花見新酒」は本醸造。しぼりたてを一度のみ火入れしたフレッシュタイプです。こちらはお値段も手ごろで、お花見の席に差し入れしたら喜ばれそう。
こちらの棚も左上からご紹介していきます。
豊島屋酒造の純米無調整生「屋守(おくのかみ)」と、純米中取り無調整生「屋守(おくのかみ)」。こちらは特約店のみで販売される、なかなかお目にかかれないお酒です。
愛称はヤモリ!裏ラベルにかわいいヤモリのイラストが。
下段左は純米吟醸原酒 「江戸開城 春酒」。愛山と東京都の水道水とリンゴ酸酵母で醸しました。香り高く爽やかな酸味が特徴です。
最後は小澤酒造の米糠焼酎「武州伝説」。酒の精米工程から生じる白糠を原料にしており、三年以上熟成させた焼酎です。アルコール分は25度。
悩みになやんで、筆者は純米中取りの屋守を購入しました。蒼天の無濾過生原酒と最後まで迷いましたが…!「東京酒造5本セット」は重さもあったのでネット注文しようと思います。
豆樽はオンラインショップで
ちなみに東京SAKE豆樽という手のひらサイズの酒樽型のお酒もオンラインショップにて販売しており、めちゃめちゃカワイイので贈り物にも喜ばれます。
取り扱い店舗はロフト銀座店・渋谷店です。
購入品のご紹介
今回購入した純米中取り無調整生「屋守(おくのかみ)」。
舌にピリピリとくる発砲感。メロンのようなフルーティな香りですが、味わいは落ち着いた辛口。食中酒にも良いですね。中取りは初めていただきますが、とてもおいしいです!
限定販売のお酒に出会えたり東京都酒造組合のかたと話せたり、とても楽しい体験ができた訪問となりました。また季節が変わったら東京蔵元だよりにおじゃましたいと思います。
まとめ | おまけの手土産をご紹介
東京都酒造組合のパンフレットと、お酒購入時にいただいた「東京蔵元の湯」という温泉の素。温泉の素には東京生まれの日本酒が配合されているそうです。
東京都酒造組合のパンフレットには東京蔵元Mapがついていて、9つの酒造がひと目でわかり楽しいです。
気になった酒造があったら、ぜひお酒をチェックしてみてくださいね。
皆さまの日本酒ライフのお役に立つことを願っております。最後までお読みくださりありがとうございました!
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【追記】2023年5月再訪
2023年5月、おいしい東京のお酒と出会うべく蔵元だよりを再訪。
限定のお酒の棚はまた入れ替わりがありました。ワクワク。
イベントがあり開栓しているお酒があったので、2種類試飲させていただけました。
しかも2本とも飲んでみたかった「江戸開城」と「東京酒蔵魂」!これはテンションが上がります!
江戸開城は穏やかな香りでキレがよく、あと口がすっきりビターなお酒。愛山という、山田錦と雄町を祖父母にもつサラブレッドな酒米を使っています。控えめなフルーティさと味わい深い旨みで大人なおいしさ。大人気でちょっとお高めな東京23区産のお酒です。東京港醸造(江戸開城)のお酒を一本購入。
東京酒蔵魂は吟醸香が華やかですね。香り高くておいしい。原酒でアルコール分 17〜18度と度数が高いのですが、華やかなおいしさで度数の高さがマスキングされ、グイグイ飲めてしまいます。パッケージに合った華やかなお酒です。
今回の購入品、多摩自慢の純米吟醸 雄町をいただきます。
うっすら黄みがかった色味。さわやかでフルーティな香り、華やかな甘さがおいしい。暑くなるこれからの季節にピッタリなお酒です。ピリッとする爽やかな酸みと甘みがおいしいですね!
人気のパイナップル系のお酒、今回の訪問時はラスト1本でした。出会えた方はぜひ。
【追記】2023年7月再訪
2023年7月、猛暑のなか蔵元だよりを再訪。
今回も開栓してあるお酒があり、試飲させていただけました。ありがとうございます!
大好きな澤乃井さんのお酒もあったね!
左から東京蔵人(小澤酒造)、蒼天(小澤酒造)、江戸開城(東京港醸造)、Palla-Casey(東京港醸造)。
「東京蔵人」は都内デパートでもよく見かける人気のお酒。生酛造りでコクのある純米吟醸です。あいかわらずおいしい。「蒼天」は透明感があってサラッと飲めてしまう。女性にも人気らしいです。
「Palla-Casey」は生きた乳酸菌を使用した日本酒で、高い酸みが白ワインを感じさせるお酒。確かに存在感がある。食中酒というよりもお酒をしっかり味わいたい人に向いているかもしれません。
今回は「東京蔵人」と「Palla-Casey」をお持ち帰りしました!「東京蔵人」は蔵元だよりさんでなくても買えるのですが、美味しくて買ってしまいました…。
写真にはありませんが、次回は野﨑酒造の貴重なお酒をぜひ購入したい。
ついつい澤乃井さんを購入しちゃうね。
【追記】2023年12月 グランデュオ立川年末外売り
東京地酒専門店「東京蔵元だより」の営業は12/28で終了。
そして12/29~12/31まではグランデュオ立川正面玄関前で東京地酒を販売しているとの情報を入手し、さっそく買いに走りました!
四合瓶にポップがびっしりついていて、東京都酒造組合のやる気を感じます!
都内の人気の日本酒がズラリ!
都内に新たに誕生した東京八王子酒造の純米吟醸も限定入荷していました!
「屋守純米中取り」「江戸開城 冬酒」「澤乃井 蒼天原酒」と人気酒造の新酒もそろっており目移りしてしまい選べませんね!
本当に新酒の時期って楽しい!
結局筆者は東京八王子酒造の純米吟醸と澤乃井 蒼天原酒を入手しました。
さっそくですが、東京八王子酒造のお酒がこちら。うっすら色づいています。
すっきりしているのですがフルーティで…美味しい!
毎回買ってしまう澤乃井さんのお酒も入手できて大満足でした。
やはり東京蔵元だよりさんは行くたびに発見があり楽しいです。ごちそうさまでした!